東京農業歴史めぐり
平田牧場
明治の元勲・山県有朋が出資して、明治5〜6年、平田貞次郎に英華舎・平田牛乳搾乳所(現在の千代田区三番町)を開設させ、同10年代には雑司ヶ谷村に牧場を開設しました。清戸坂の道ぞい北側に平田牧場の立派な牧舎があり、隣には牛乳の小売店として、旗竿には「官許うしのちち」と、かなとローマ字書きの旗がかかっていました。
ここ文京区は、昭和22年に小石川区と本郷区が合併、明治以来文教地区であったことに由来していますが、農業、特に畜産も当区の歴史として一ページを飾っています。ペーリー来航で「鎖国令」が解けた事などから、欧米の文化が流れ込み、牛乳の需要が増え、明治10年の征南の役が終わった頃より、当区にも牛乳搾乳業者が増加しました。
明治中期の資料によると、本郷弓町「牧牛社」、本郷真砂町「真砂社」、本郷森川町「開墾社」、湯崎新花町「厚生舎」、千駄木林町「楽牛園」、千駄木町「友國社」、駒込上富士前町「長養軒」、駒込曙町「曙舎」、小日向茗荷谷町「駒山牧社」、小石川原町「嶺岡牧社」、小石川久堅町「保生舎」など20軒近い牧場が集中していました。
稲荷神社
文京区目白台3-26-1
(地下鉄有楽町線護国寺駅5分)
TEL:03-3945-4808